応用数学勉強会2017 @芝浦工大

期間 2017年8月23日(水)〜8月25日(金)

会場 芝浦工業大学大宮キャンパス 5号館5F 5541教室
    (住所: 埼玉県さいたま市見沼区深作307)
  会場へのアクセス:  http://www.shibaura-it.ac.jp/access/index.html
  キャンパス案内: http://www.shibaura-it.ac.jp/educational_foundation/facility/omiya_campus.html

  ※駅は宇都宮線「東大宮」になります。大宮から高崎線や宇都宮線快速乗らないようご注意ください。

講師
  高棹 圭介 氏(東京大学)
  榊原 航也 氏(東京大学)


レクチャーノート公開

高棹氏:  フェイズフィールド法によるBrakkeの平均曲率流の構成(2018.9.13version)
榊原氏:  基本解近似解法の理論と応用(2018.9.16version)   榊原氏の サポートページ


プログラム

23日 14:00−15:30、15:50−17:20 講義A
24日 9:00−10:30、10:50−12:20  講義B
    14:00−15:30、15:50−17:20 講義A
25日 9:30−11:00、11:20−12:50  講義B



各講義の内容

講義A 「フェイズフィールド法によるBrakkeの平均曲率流の構成」
講師: 高棹 圭介 氏(東京大学)
アブストラクト
平均曲率流は、例え初期値が滑らかであっても、有限時刻でジャンクション等の
特異点が発生し得る為、一般的には古典解の時間大域存在を望めることは出来な
い。それに対して1978年にBrakkeにより、それらの特異点を許す弱解である
Brakkeの平均曲率流の定義、及びその存在証明がされた。本講演の前半では、こ
のBrakkeの平均曲率流の定義とそのモチベーションの紹介を行う。また、Brakke
の平均曲率流の定義で必要であるVarifold等の幾何学的測度論の紹介も行う。
Brakkeの平均曲率流の構成方法として、1993年のIlmanenによるAllen-Cahn方程
式の解の特異極限を用いた証明が有名である。この手法では、Allen-Cahn方程式
の解のディリクレエネルギーとポテンシャルエネルギーの釣り合いを示すことが、
Brakkeの平均曲率流の構成の鍵となっている。本講演の後半では、Ilmanenによ
るBrakkeの平均曲率流の構成方法と、エネルギーの釣り合いの証明で重要な評価
となっている単調性公式の説明を行う。最後に、講演者の最近の結果である、フ
ェイズフィールド法による体積保存平均曲率流の弱解の構成方法について説明す
る。

講義B 「基本解近似解法の理論と応用」
講師: 榊原 航也 氏(東京大学)
アブストラクト
基本解近似解法 (Method of Fundamental Solutions, MFS) は,線型同次偏微
分方程式に対するメッシュフリー解法である.そのアルゴリズムはいたって単
純であり,特異点を問題領域の外部に持つ,考えている方程式の基本解の線型
結合により近似解を与え,その線型結合の係数は選点法により決定される.つ
まり,偏微分方程式の代表的な数値解法である,有限要素法や差分法に必要と
される,領域のメッシュ分割が不要であるという意味で,メッシュフリーであ
る.さらに,MFSの特筆すべき特徴として,”ある条件”の下では,近似誤差
が点の数に関して指数的に減衰するという著しい性質がある.これは,近似誤
差がメッシュサイズに関して多項式オーダーで減衰する,有限要素法や差分法
とは決定的に異なる点である.しかしながら,”ある条件”は数学的に未解明
な部分が多く,MFSの数学解析(近似解の一意存在および誤差評価)はまだま
だ不十分であると言わざるをえない.

本勉強会では,MFSの数学理論に関して,現在までに知られていること,さら
に本講演者により拡張された結果を解説する.さらに,MFSの流体力学への応
用にも簡単に触れ,数学理論のみならず,応用の面でも非常に有用であること
を示す.
具体的には,以下に述べる事項を扱う.

1.円板領域におけるポテンシャル問題に対するMFSの数学理論,特に,Katsurada
 and Okamoto (1988) 論文の解説を行い,一般のJordan領域への理論の拡張を
行った,Katsurada (1990) 論文のアイディアを説明する.
2.MFSの数学理論の二重連結領域への拡張を,詳しく解説する.
3.MFSの流体力学への応用を考える.特に,Hele-Shaw問題として知られる移
動境界問題を扱い,その幾何学的変分構造を保存する数値計算スキームの構築
方法を解説する.



※懇親会のお知らせ 勉強会二日目(8月24日)晩に懇親会を東大宮周辺で予定 しています。
懇親会に参加される方は、8月18日(金)までに石渡までご連絡くださ い。


本勉強会は

    日本学術振興会科学研究費補助金 基盤(A) 課題番号:25247008 (代表:利根川吉廣)
    日本学術振興会科学研究費補助金 基盤(B) 課題番号:15H03632 (代表:石渡)

の援助を受けて開催されます.

世話人 
     石渡 哲哉(芝浦工業大学)tisiwata(at)shibaura-it.ac.jp
     高坂 良史(神戸大学)kohsaka(at)maritime.kobe-u.ac.jp


勉強会シリーズ

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応用数学勉強会2016: 2016年12月8日〜12月10日 @神戸大学  with 高坂氏(神戸大)
応用数学勉強会2015: 2015年10月29日〜10月31日, @芝浦工大 with 高坂氏(神戸大)
応用数学勉強会2014: 2014年12月11日〜12月13日 @神戸大学 with 高坂氏(神戸大) 
応用数学勉強会2013 : 2013年12月16日〜12月17日, @芝浦工大 with 高坂氏(室蘭工大) 
研究集会「界面の数理と幾何解析」:2012年11月29日〜12月1日, @芝浦工大 with 高坂氏(室蘭工大)


更新日 2018年9月17日